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17箱目「ミステリーの女王」

英語のおまけ箱
●今回は高校生向け●

ミステリーの女王


文学のジャンルに「ミステリー小説」というのがあります。

「推理小説」「探偵小説」とも呼びます。

主に殺人などの犯人捜しを主眼とする、エンターテインメント小説です。


そして、ミステリーと言えば、Agatha Christie (アガサ・クリスティー) という、女性の名前を聞いたことはありますか?

ミステリーに興味がない人も、教養として、この名前ぐらいは知っておいて損はないと思います。

マンガ「名探偵コナン」に登場する阿笠博士の名は、この人から取っています。

 
クリスティーは、イギリスの国民的大作家で、1976年に亡くなるまで、長編小説、短編、戯曲の作品総数は100以上にのぼり、そのほとんどすべてがミステリーもの。

ゆえに the Queen of Crime と呼ばれています。

crime は「犯罪」の意ですが(入試必修語です)、日本では「犯罪の女王」だと、ちとドギツい感じがするので、「ミステリーの女王」という言い方をされるのが普通です。


1920年、30歳のときに The Mysterious Affair at Styles (邦題『スタイルズ荘の怪事件』)という長編小説でデビュー。

この作品に登場させた Hercule Poirot (エルキュール・ポワロ) というベルギー人の名探偵が好評を博し、以降、30作以上の長・短編に登場します。
 

ポワロの他にクリスティー作品の探偵役の有名どころと言えば Miss Marple (ミス・マープル)。

編み物好きな上品な老婦人で、事件関係者、村の人々の話や新聞の情報をもとにして、真相を解明していきます。


作品数は少ないですが、Tommy & Tuppence (トミー&タペンス) という夫婦探偵もいます。


劇作家でもあり(むろん、すべてミステリーもの)、特に The Mousetrap (邦題『ねずみとり』) は、演劇史上、長期興行記録を打ち立てた作品となりました。

Witness For The Prosecution
(邦題『検察側の証人』)という作品はアメリカで賞を受け、さらにハリウッドで映画化もされて、それは映画史に残る傑作となっています。


クリスティー作品はどれも、驚愕のトリック&プロット、迫り来るサスペンス、個性的な登場人物たち、語り口のうまさがあり、殺人という陰惨な事項を扱いながらも後味の良い読後感を与えてくれるので、日本も含めて、英語圏でない国々でも非常に多くのファンを獲得しています。
 
なにしろ、クリスティーの著作は、聖書とシェイクスピアの次に読まれていると言われており、まさに天文学的数字の売り上げです。
 

さらにクリスティーがスゴいのは、今世紀に入っても、作品の数々が世界中で愛読され、書店の棚に現代のミステリー作家たちと並べて普通に置いてあるし、映画化やテレビドラマ化がいまだになされている、というところです。



実は、クリスティーは、1926年に10日間ほど、謎の失踪事件を起こしたことがあります。

著名な女性作家の突然の失踪です。

もちろん、世間は大騒ぎで、いろんな人がいろんな説を唱えました。

クリスティー自身は、この失踪の真相について、亡くなるまで、いっさい語りませんでした。
 
そういえば、数年前、立教大学の英語の入試問題に、どういうわけか、このクリスティー失踪事件の話が出題されていました。



さて、「ミステリー小説」のことを英語で whodunit〔フーニット〕と呼ぶことがあります。

わたしは、この語を初めて知ったとき、なるほどなあと思った記憶があります。
 
どう見ても、これは,

Who's done it? (誰が、それをおこなったのか?) 

ということから来ているのは、わたしたちにも推測できますよね。

it というのは、もちろん、殺人などの犯罪のことであり、「ミステリー小説」の醍醐味は、真犯人は誰なのかを解き明かす、作者と読者の知恵くらべにありますから。


クリスティーの経歴については、クリスティーの公式サイトを参照しながら記しました。



●語り手/英語科・鈴田●


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