中3生徒が英検1級合格!学而会の英検対策

英語のおまけ箱9箱目「The 北川景子」

英語のおまけ箱67箱目「あなた」も「あなたたち」も

●今回は中高生向け●

The 北川景子
学而会 英語のおまけ箱 19箱目

個人名には、冠詞( a や the )はつけません。

中学生は、このことをしっかりおさえておきましょう。

ただし、英語に興味がある中学生や、大学受験生は、次のことも知っておいてほしいと思います。

実は、個人名に a をつける場合があります。

「~とかいう人」ってな意味が出るんです。

① Mr. Smith called me yesterday.
 「スミスさんが、きのうわたしに電話してきた」

A Mr. Smith called me yesterday.
 「スミスさんとかいう人が、きのうわたしに電話してきた」

ついでに言うと、①は、わたしは以前からスミスさんと知り合いだけども、②は、それまでわたしはスミスさんを知らなかった、ということもうかがわれます。

There is a Yamada Taro who wants to see you.
山田太郎とかいう人が、あなたに会いたがっております」

a Picaso だと「ピカソという人」になるわけですが、Picaso の場合「ピカソのような大画家」もあり得ます。

He wanted to be a Picaso.
「かれはピカソのような画家になりたかった」

a Celine Dion なら「セリーヌ・ディオンのような大歌手」という具合です。

さらに言うと、a Picaso「ピカソの絵、作品」もあり得るんです。

a Toyota 「トヨタ製の車」 a Sony「ソニーの製品」ということになります。

要は、固有名詞に a がつくと、具体的な実体に変わる、と言えばいいでしょうか。

また、個人名に the をつけると「あの超有名な」「誰でも知っている、あのお方」という感じになります。

I had dinner with Johnny Depp the other day.
「先日、ジョニー・デップと食事したよ」

The Johnny Depp! Really?
あの有名なジョニー・デップ様と? マジ?」

という具合です。


最近、マーク・ピーターセンというアメリカ人の大学教授が書いた「英語のこころ」(集英社刊)という本が出版されて、その本にも、ここで述べた a や the のことが書かれています(67頁~70頁)。

ピーターセン氏は、the + 個人名 の例文として、

Her name is Kitagawa Keiko, but she is not the Kitagawa Keiko.
「彼女の名前は北川景子ですが、あの<有名な>北川景子ではありません」

という、スゴくわかりやすい文を提示してくれています。

同意文として、

She is a Kitagawa Keiko, not the Kitagawa Keiko.

というのも。

ちなみに、マーク・ピーターセン氏は明治大学名誉教授、金沢星稜大学教授であり、30年ほど前、初の著書「日本人の英語」(岩波新書)は当時ベストセラーとなりました。

英語ネイティブの人が日本で本を出す場合、著者は原稿を英語で書いて、それを出版社が日本語に直すものですが、ピーターセン氏は直接、日本語で原稿を書いたんです。

このことにも世間は驚きました。

以来、日本人のための英語・英語教育関係の本をたくさん出しています。

日本文化への造詣が深いだけではなく、日本語で本が出せるほどの日本語力の持ち主です。

わたしたち日本人が英語の学習でどんな部分が弱いかを氏は熟知していて、氏の著作はどれも非常にわかりやすく、有益なものばかりですよ。
 

 
最後に、もうひとつ。

名字に the をつけて複数形にすると「~一家」ということになります。

すなわち、the Smiths 「スミス一家」ということです。

「犬神家の一族」the Inugamis になりますね。

●語り手/英語科・鈴田●