●今回は中学生向け●
148箱目「just a 少し」
今回は、わたしがつい最近知った英単語についてお話します。
35年ほど前に出版された、マーク・ピーターセンという人の「続 日本人の英語」(岩波新書)という本を久しぶりに読み返していて、知りました。
本書を初めて読んだときは、なぜか気がつきませんでした。
ピーターセン氏がどういう人なのかは、9箱目「The 北川景子」で詳しく述べていますので、どうか、そちらも読んでみてください。
さて、問題の英単語ですが、
just a skosh
です。
「ほんの少し」という意味なのですが、この時点で、読者の中には察した人も多いでしょう。
そう、skosh は、日本語の「少し」から来ているんです。
ピーターセン氏は、アメリカでこの語を「子供の頃からよく使ったり、聞いたりして」いた、とのこと。
氏は、「日本語を習い始めるまでは、skosh を純然たる英語だ」と思い込んでいたそうです。
確かに発音も〔スコッシュ〕でしょうし、いかにも英語っぽいですよね。
占領軍や朝鮮戦争で日本に来た兵士たちがアメリカに持ち帰ったのだろうと、氏は推察していますが、わたしもそう思います。
judo 「柔道」、tsunami 「ツナーミ《津波》」、kimono など、日本語から取り込んで英単語として認められるようになった語って、けっこうあるんですが、skosh は そこまでの浸透度はないかもしれませんね。
わたしもアメリカの映画や小説でこれまで出会ったことは、ありませんでしたし。
入試英語的には、「ほんの少し」を表す英語といえば、
just a little, a little, a little bit,
ぐらいを知っておけば大丈夫だと思います。
ただ、日本人としては、just a skosh は、なんかかっこ良くて、機会があればいつか使ってみたい気がします。
相手によっては通じないかもしれませんが。
●語り手/英語科・鈴田